ブルベワークショップに参加してきた時のメモ
AJ北海道とランドヌール札幌のスタッフ有志によるブルベのワークショップに参加してきました。メモをひたすら残したのでこちらで開放しようと思います。 北海道では初となる試みで、 ブルベをはじめてみたい・はじめたばかりだけれどもっとブルベについて有用な知識を得たい という人にとっては大変有意義な内容だったと思います。
場所は札幌市西区宮の沢駅直結の生涯学習センターちえりあ 宮の沢とかちょっと遠いなと思いながら向かいます。自転車乗りの距離感は極めてアヤフヤです。 初めて中に入ったけれども想像以上に広くて良い施設でした。
会場にはブルベ界隈において必須と言えるようなアイテムや例のポンプや2400km完走メダルなどが陳列されていました。
機材紹介コーナー pic.twitter.com/43yOrqoGLk
— Ishima (@Tanupoon) 2019年3月17日
時間も近くなると知っている顔もちらほら。自分はscrapboxでメモを取るべくMacBookでドヤリング待機。ほどなくして会場も満席になり、okzk氏「ブルベ参加したいけれど何からはじめたらいいかわからないという質問を受けたさいに、これは昔の自分と同じだなと思って、そういう人たちの背中を押してあげられたらという人のために開催しました」という言葉からブルベワークショップが始まります。
以下北海道ローカルなルールも含めメモした内容を箇条書き気味に羅列していきます。
ブルベとは
経験と年齢が一番上ですとK父氏から「ブルベとは」というブルベそのものに関するお話でした。
- ブルベとはノーサポート自己責任の長距離サイクリング、遅い早いとか順位関係なし。決められたルールで走りきれば良い。競技ではない。
- 発祥は100年以上前のフランス
- 認定組織はACP(Audax Club Parisien)およびRM(Randonneurs Mondiaux)
- ACPが認定するのは 200km,300km,400km,600km,1000kmとPBP
- RMが認定するのは PBP以外の1200km以上のブルベ
- 商業的なイベントではない
- 事故などの責任は一切無し
RMってRandonneurs Mondiauxの略称って初めて知ったわけだけどフランス語の教養が無いと初見では読めませんね。
記念すべき北海道初のブルベは悪天候で中止というエピソードを交えつつ、ブルベは最中は辛いとか思って走っているんだけれども、走ったあとは次は何に出ようというような気持ちになっている中毒性の高いものですという言葉が完全にランドヌールあるあるでした。ブルベ中はつらかったけれど、終わってみれば記憶が美化されていく記憶の改竄なんて言い回しもございます。
ブルベのルール
HSY氏からはブルベのルールを中心としたお話でした。
ブルベの概要
- ブルベは決められた距離を決められた時間に走る
- 200→半日くらいあればいける
- 600だと約2日
- 1000だと約3日
- 1200だと約4日
- 200, 300, 400, 600を認定されるとSR (シューペル・ランドヌール(仏) / スーパー・ランドナー)
- コンビニでレシートを受け取る→これは通過証明になる
- 夜走るためライト必須, そして反射ベスト, 雨などそこそこの悪天候でも開催するので雨具、防寒具などの用意が必要
- 長期間の場合は荷物も増える, バッグが増える, 服などどうするか,
- 軽快に自転車を走るというイメージからずれる。
- 食事どうするか
- 睡眠どうするか
- 腹が減る
- 寒くなる
- 嫌になる
- 辞めたくなる
- しかし走っているうちに何かが見えてくるらしいのがブルベ(?)
知っておいてほしいこと
- 参加資格: 20歳以上
- 「70歳以上の走者もいます」
- 人力で動く車両であれば参加可能(電動はNG)
- 第三者賠償責任保険加入義務 金額が1億円以上のものに加入
- 「自転車保険とうたっていてもブルベは対象外というものもあるので注意」
- あまりにも安い保険はブルベだめとかあるかもしれないので要問い合わせ
- 交通規則を守る。信号無視や並走などダメゼッタイ
- サポートは禁止。自力で完走がモットー。参加者同士で助けあうのはOK。第三者のサポートは禁止だが、PCならばOK。
- 部外者と一緒に走るのも禁止。発覚すると失格、その後のブルベも参加できなくなるという処分がくだされることも。
安全装備について
- 前照灯必須、点滅は不可
- 300km以上は前照灯2灯
- ライト2つというのは片方消えてしまったケースを想定してなので道中片方故障したからといって失格にはならない。
- リアライトは車体に固定, バッグにつけるのは車体に固定とはみなさないのでフレームに固定, 点滅は不可。
- リアライト2つの場合片方が車体に固定されているならば2つめはバッグに取り付けてもOK
- 反射ベスト
- 反射素材がついてたらベストじゃなくてもよいが反射ベストが無難。
- ヘルメット
- 400km以上はヘルメット尾灯必要
- ベル
その他
- スタートの時にもらうブルベカードをなくさないでください, なくすと失格の対象に
- レシートもきちんと管理しましょう、雨で濡れたりして時間が確認できないとかないように
- DHバーは北海道ローカルではOKだが団体によってはNGなので気をつけましょう
- コースアウトしても、コースアウトしはじめたところまで戻って指定されたコースに復帰しているならばOK
- あのセラーズは毎年だめ
- 毎年スタッフはブルベのPCとして利用するコンビニをチェックするのだが、大夕張200のあのセラーズのレシートは毎年時間が1時間ずれているということを認識している。
第三者のサポートだめということですが道中自宅で泊まるのは?知り合いの家は?といった鋭い質問がでたりして盛り上がりました。
自宅ねぇ〜
ブルベの種類
Ism氏からはブルベにはざっとこんな分類があるよといったお話でした
- 日帰りブルベ: 200, 300km
- 朝帰りブルベ: 400km
- 途中仮眠推奨ブルベ: 600km
- 当然仮眠推奨ブルベ: 1000km
- Flesch: 3台以上5台以下で24時間360km以上を走る。2時間以上の休憩はNG。すべてのPCは通過チェック扱い
- SR600: 獲得標高10000m以上の600km。すべて写真の通過チェック, スタート時間を自由に設定可能, PCでの第三者サポートは禁止。
- RM PBP以外の1200km以上のブルベ、日本国内の開催例は以下のよう
- 2016 1200km 納沙布岬
- 2016 Bike Across Japan 2400km
- 2018 Around Hokkaido 2400 / Clover Hokkaido1200
- パーマネント : AJが認めたルートを規定の条件で完走することでAJが認定、日本独自認定でACPの認定とは異なる, SRの条件に含まれない。
- 来年北海道でもやるかも?
そして2020年はAJ北海道で北海道1200kmを開催する予定, 納沙布岬行くブルベを考え中です!!
ブルベエントリーから完走までの流れ
noza氏からエントリーしてから完走するまでのお話でした
エントリーしてから当日まで
- スポーツエントリーからエントリー(AJ北海道, R札幌)
- スポーツエントリーにログインする必要がある。
- 保険の情報入力する欄があるので保険が必須
- 今年はクレジット決済のみ
- エントリーリストのチェック
- 開催が近づいてくるとエントリーリストに出走者名簿が公開されるので名前があってるかどうか, 存在するかどうか確認
- ローマ字表記が違っている場合は認定されないケースがあるので注意
- Qシートのチェック
- 中でもPCのopen, close時間は要チェック
- 出走ガイドとスタッフの試走レポートのチェック
- 集合場所, 集合時間, ゴール受付場所などを事前に確認。
- DNS, DNFの場合の連絡先などなど詳しく書いているので必ず目を通すべし。(なお連絡先は当日もらうブルベカードにも記載されている)
- 権利放棄書なども目を通す。
- 道路に危険なところがないかなどの情報なども事前にチェック
- 自転車の点検
- 車検に引っかからないように装備の事前確認を
当日〜リザルト発表まで
- 受付: 出走サイン, ブルベカードを受け取る,
- ブリーフィング: 主催者から出走ガイドに記載されていないようなことなど説明
- 車検: 装備の確認をスタッフが行う
- 走行中リタイアとなる場合, ブルベカードに記載のスタッフに電話すべし。スタッフは走行者全員の安否が確認するまで帰れま10
- ゴール受付: サイン, 所要時間, メダルほしいかどうかの記入(スタッフの指示に従うだけでよい)
- メダルは自分でお金出して買う(1000円できればおつりないように)
- 走り終わったらブルベカード回収、持って帰らないこと
6. 数日後仮リザルトが発表されるので間違いがないかどうか確認
途中AJ会員になるにはどうしたらいいかという質問が出ていましたがスポーツエントリーから可能なようで
ブルベのコツなど実践的な話
時間が無い!早口モード!sho氏okzk氏の二人からブルベにおけるコツやおすすめ装備とか補給とかスライド数も多くて盛り沢山な内容でした。一部自分のアイテムの写真も含めて羅列していきます。
おすすめのフロントライト
VOLT400
- ランタイムが長い
- 基本ローモード, 下りや雨のときは光を強くする
- ライトのつかいかたのコツ角度を変えて遠目と近めで使い分ける
- 点滅モードでの運用はいかなる状況でも禁止です
- 年取ってくると明るいほうがいいという意見も
VOLTシリーズのランタイム比較に関しては以下の情報が大変役にたちます
CATEYEさんのロングライド向けフロントライトのスペック比較図を作ってみました。ランドヌールの方には「ロー」のランタイムが大事なのかな?
— Cat㌟ (@CatRolling3) 2019年2月9日
最新のSYNCCOREはバッテリー容量が少ないのに優れたランタイムでバッテリーの進化が感じられました。
頑張ったのでRTしてもらえると嬉しいです! pic.twitter.com/4eMEsbKCI6
おすすめのリアライト
- OMNI3 AUTOのオートモードが素晴らしい
- ランタイムが長い
- バッグに付ける場合は別途でフレームにもつける必要
- 片方点灯, 片方点滅という運用もあり
- 長距離ライドでは宿でコンセントが充電まつりになるけれどOMNIはその必要無し
反射ベストについて
反射材が大きいこと, 前傾姿勢で後続車に向くものが良い ベストの色は蛍光色推奨 おすすめ反射ベストとして以下2つを挙げる
オダックス埼玉ベスト
- 視認性高い
- ずれない
- ばたつかない
- 熱くない
- 軽量
- コンパクト
- ジャージポケット塞がない
AJPBP2019反射ベスト
- EN ISO20471に準拠
- 乗車姿勢での視認性が良い
- 熱や汗がこもる箇所はメッシュ素材
- ポケットにアクセスしやすくなるよう逆開きファスナー仕様
その他視認性をあげるためのおすすめアイテム
反射スプレー
夜に視認性が増す, 1日以上もつ
おにぎり
サドルバッグやリュックにとりつける反射材
アンクルバンド
手のひらや股擦れを保護するクリーム
シャモアクリーム, 皮膚保護クリーム
自転車にとりつけるバッグ類
モンベルのフロントバッグ (補給類などアクセスが容易)
アピデュラのサドルバッグ (リュックに比べてサドルへの荷重が減る)
その他お役立ちアイテム
- 自転車用バックミラー
- 後方レーダーgarmin Varia
- エンドキャップ用、ヘルメット用リアライト
- キューシート用ヘルメットライト gentos
- レスキューシート
- マットガード → ずぶ濡れの場合レーパン濡れると股ずれおこりまくる
- タイラップ
- 例のポンプ: 空気入れがすごい楽, 6, 7気圧余裕。
- GPS garmin eTrex → 乾電池で動くのでバッテリー交換で動く, サイコンで別付け
- サイコン garmin edge 520
- bryton Rider 530
補給
出走前から事前に用意しておくと良いもの
- かさばらないエナジージェル類
コンビニの補給
安くてカロリーの高い物が良い
- 5個入り100円パン
- セイコーマートの100円パスタ
- バナナ
出走する前から事前に決めておくと良い
トラブルシューティング
以下はスライドには表示されていたものの時間の関係で省かれてしまったので何らかの形で経験者に直接聞いてみると良いでしょう。特に雨対策についてはもっと詳細な説明があればいいかなと思いました。
- 雨が降ってきた
- トイレが近い
- 完走したいけれど巡航は速くない
- 低体温 ・熱中症になったら
- 眠くなったら
- メカトラ
ビギナーさんおすすめブルベ
以下の2つは獲得標高も少ない難易度の低いブルベです(なお悪天候or強風ではない場合とする)
- 美唄200
- 空知スイーツ200
終わりに
すべてを網羅はできていないですが、メモしたことを並べただけでも結構なボリュームになりました。
今回のワークショップでは時間がおしてしまって後半が急ぎ気味になってしまいましたが、質問なども結構な数あがっていたので、もう30分〜1時間くらいあればもっと時間に余裕が持てそうかなと思いました。
札幌は3月に入って雪が溶けたと思いきや断続的な降雪が、よりによって土日狙いで続いています。北海道の2019年最初のブルベ美唄200まで約1ヶ月。もうそろそろロードバイクで160kmくらい走りに行けるような天気が待たれます